2011年03月28日

東北大震災医療支援隊その2

3/25
4:45起床 寒い晴れ
昨夜は高速道路PA泊まり。
ここには、東京からは増山・澤谷・安藤のJSMM会員に加え、4トントラックをアレンジした医療構想千葉の田井、積極的に参加を申し出てくれた有志の登山家の棚橋。松本からは、千島とボランティア的にこのプロジェクトに参加を申し出てくれた有志の登山家黒田、そして埼玉でピックアップされた関崎。そして、神戸からは、震災を経験したことがある、登山家島田が集まった。

 今日から東北自動車道の一般通行可能になっている。渋滞と覚悟していたがまだ空いている。ただ、郡山を過ぎると道路が波打つところが出てくる。80キロ制限となる。PAのガソリン入れは長蛇の列。当方は救援車両の認定を受けているのだが優先措置はなさそう。

協議の結果、隊を2つに分ける。安藤トラック隊は、宮古市、盛岡市へ抗アレルギーミルクや医療・介護資材を配達する。他は気仙沼を目指す。

5:00出発。一関インタを出て、東へ。朝日がまぶしい。早朝なのに街中はガソリンを求めるクルマが列をなす。

700 気仙沼着。インタから太平洋に向かう途中、地震の爪あとはほとんど感じられない。表面的には家屋に損傷は見られない。気仙沼市内に入っても、気仙沼市役所あたりまではよく見る普通の地方都市の街並み。しかし角を廻ると街並みが一転する。がれきの山。ビルが傾き、家屋はつぶれ、
道路は粉砕され、小型船が埠頭に鎮座する。

8:00 保健健康センターすこやかで、気仙沼地区災害対策のDMATチームのミーティングが行われる。どうも我々の出番はなさそうである。
 混雑する気仙沼市災害対策課に抗アレルギーミルクを届ける。日本小児アレルギー学会からの依頼である。担当の災害対策課千葉氏はこの性質のミルクの特殊性をよく理解しておられた。

 その後、石巻市に向かう。ここの北上町十三浜は、東北三陸地方のほとんどの被災地がそうであるように、被害甚大・報道極小・支援細々、の地域である。

 気仙沼から大回りして北上川左岸を下ってゆく。驚くべき光景が広がる。北上川河口近くの鋼鉄の橋梁がふきとばされ、ベトンの水門が破壊されている。右岸の堤防は決壊し右岸域は広い範囲で水没している。左岸も川が伏流化しているかと錯覚させられる。船は丘に登り、断崖の裂け目にクルマがはめ込まれている。田は池と化し、林はクリスマスツリーとなっている。

ある地区の状況を見る。津波を予想し避難所としてつい最近作られたばかりの総合支所の太い鉄骨支柱は扇のようになぎ倒されている。裏手の消防の建物は鉄の骨組みとなっている。横手にある小学校は、旧と同じに残っているのはかろうじて屋上の一部分である。この一角で一部の先生と生徒があの一夜を過ごしたのだという。3月11日以前には存在したはずの数十の建造物は、この地区には、この3
つの残骸以外ない。

このあたりは石巻市北上町十三浜と呼ばれる。地区はほぼ浜に対応するであろうか。北上川河口から北東へ伸びる、枝尾根で区切られギザギザとなった、リアス式海岸は多くの小さい浜を持つことになる。その浜で何度も(13回も?)私たちは巨大な地球の力を目撃することになる。
 仮補修中の崩れた堤防の上を通り、流された橋を高巻きし、がれきをわずかに取り除いた細道を縫って車を進める。

 14:00過ぎ、相川避難所に到着。電気・水・ガス・ガソリン・電話・ケータイを失った340人がここを頼りにしている。加えて家を失ったその半分170名がこの施設で寝泊まりしている。
 リーダーの鈴木学さんも、海から600mも離れていた自らの家を失った。長女の凛さんを助手にしながら、ニコニコ笑ってくるくる被災者の間を歩いてテキパキ厳しい健康管理を指導をしている保健師の阿部裕美さんは、あの日、家もご主人も同時に失っている。

 避難所は津波を免れる高台にある立派な建物であるが、足元は冷たい。国立登山研から預かったロールマットを敷くことを提案する。皆様、喜ぶ。喜ばれるとこちらもとてもうれしい。

 そのあとは、「大指林業者生活改善センター」に伺い、その足で災害対策本部へ。責任者今野照夫氏(北上総合支所)と相談し、明日以降ここの指示で動くこととなる。

安藤トラック隊は任務を完了。安藤は
・宮古市、熊坂医院に医療機材、介護用品を届ける(千葉県がんセンターより)。熊坂先生によれば、宮古の状況は好転しつつある。急性期は過ぎ去り、医療供給は地元の慣れた医療機関でまかなえる状態にある、とのこと。よかった。
・盛岡赤十字病院小児科(小児アレルギー学会より)にミルクおよび医療介護用品を届けた。
この二箇所を回り、夕刻に本体に合流する。


*千葉正道先生、上家先生から、今回の東北入りに関して多くのsuggestionをい
ただきました。御礼申し上げます。
posted by 日本登山医学会ブログ at 06:26| Comment(0) | 会員情報
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